てあかりともして
さんぽのつづきへ……
アイデアスケッチ(2)
「こんにちは、クエビコさん」
「おおガッコ、ひさしぶり。
ふゆのねむりからさめたのかい。
おや、かわいいおつれさんだ」
「このこはピピルコさん、はじめて
そらをとんできたんだよ」
「そうかい、そうかい、はるだなぁ」
かかしのクエビコは、きもちよさそうに
うたいはじめました。
ふゆになれば
しがこ(すがこ)もはって
どじょっこだの ふなっこだの
てんじょこはったと おもうべな
(中略)
にぎやかにうたっていると、
ざわざわざわざわ、おがわがなみだち
「うるさいぞー!」
と、われがねのようなおおごえが……
グラグラとじめんがゆれて、
くろいひげをふるわせ、
オオナマズがおどりでました。
「なにがはるだ、なつだ、おれさまは
もっとねていたいのに。
さわがしくて、たまらんわい!」
オオナマズのながいひげが、
にょろりとのびてガッコにまきつき、
つるしあげました。
「うるさいから、くってやるぞ」
「うわーやめろー」
「ガッコさん!」
「にげてピピルコさん……」
くるしそうなガッコのすがたに、
ピピルコはなみだをこぼしました。
「たすけて、おねがい」
ピピルコがいのります。
シャランシャラン
かぜにほそいねいろをひびかせ、
ナズナのすずがゆれました。
「わしのてあしがじゆうになれば……」
かかしのクエビコがくやしくて
そらをみあげると、ぽつりぽとん……
あまつぶがおちてきました。
ぽつぽつ、ぽとん……
あっというまにあたりはくらくなり、
はげしいあめが
レンゲのはらにふりそそぎました。
ピカッ!
いなずまがはしって、
おがわのそばにおちました。
ピカッ、ピカッ、ピカッ!
あばれるオオナマズをふうじるように、
いなびかりがひろがりました。
ドーン!ゴロゴロゴロ……
そらからカミナリがおりてきました。
「こら、オオナマズ。
ふゆのあとには、はるがくるのだ。
あばれるのはやめろ」
きびしいかおのカミナリは、
オオナマズをとじこめたいなずまを
といてやりながら、いいました。
すっかりめをまわしたオオナマズは、
ながいヒゲをしょげかえらせて、
みなそこへとしずんでいきます。
「ねむいなら、ねていろよ」
まだこどものカミナリは、
ふっとわらいました。
クエビコのかげから
ガッコとピピルコがそっとかおをだし、
「たすけてくださって、ありがとう」
と、ふるえながらいいました。
カミナリのこは、
「れいなら、さっきのうたでいい」
と、にっこり。
「おいらは、ゴロリン。
おいらもいっしょにうたいたいけど、
あめがふってピカゴロしちゃうからな」
カミナリのこは、くもをよぶと、
つむじかぜにのってとびたちました。
「そらのうえでたのしくきいていたぞ、
またうたっておくれ」
あめがあがり、いちめんのレンゲが
しずくをのせて、きらきらひかります。
「カミナリさまのおでましで、
ことしのなえも、じょうぶにそだつな」
クエビコがつぶやき、
ガッコはほっとして、ふと
くちずさみました。
ププルコ こーろころ
ひょうたん ポックリコ
なみだがかわいたピピルコも、
こえをあわせます。
ガッコは けーろけろ
いなずま ピッカリコ
かみなり ゴロリンコで
なえほの みのりはザックザク
(おや、とおくのそらで、
そっとうたうゴロリンのこえも
きこえたかもしれません……)
はるのさんぽは、まだまだこれから。
タイトル案「はるのゴロリン」
( 2024.3.24 あらすじ初稿 全文かな書き )
( 2024.7.3~8.1 イラスト作成 7枚 )
アイデアスケッチ – あかり窓 (memoru-merumo.com)
smile ゴロリン
ひとまずこれで完成。
(あとで修正したくなりそう)
ゴロリン(下塗り)
酷暑のあまり、お絵描き手つかず。
ようやく下塗り……かなり雑……Orz
「春雷の後の青空」っぽくしたいな。
(暑さは忘れるべし……)
(まったり描くべし……)
smile ゴロリン(下書き)
夏の土曜の朝、夏至から一ヵ月たつ。
暑いので、朝のうちにお絵描き。