古層の女神の面影 memo


海と風と大地、豊穣と異界の神

(ギリシア神話)
ポセイドン デメテル(娘ペルセポネ)
馬の神話あり

ポセイドン アンピトリーテー
馬の神話あり

ポセイドン メドゥーサ(≒デメテル)
馬の神話あり

(中東神話)
イル又はマルトゥ アーシラト
海辺の神話

エンリル ニンリル(息子シン)
船と河の神話あり

(北欧神話)
ロキ アングルボダ(娘ヘル)
馬、船の神話あり

(日本神話)
スサノオ アマテラス(妹ワカヒルメ)
川辺、馬の神話あり

ダイダラボッチ ヤマンバ

女神に伴うモチーフ

宇宙樹、穀物、機織り、三女神、慈雨、沐浴、羽衣など

馬と蚕

(中国、日本)
馬 娘(馬頭娘)
桑、蚕の神、古蜀
(中国の古蜀地方の紀元前の青銅神樹、青銅仮面=蝶・蚕成虫のような形)

馬 娘
桑、オシラサマ(蚕の神)≒流しびなと同根、天白神

再生の魔術

(エジプト)
オシリス イシス(息子ホルス)
太陽と冥府・豊穣の神(オシリスの象徴はサナギ)
(包まれた包帯≒マユ・サナギから再生する)
船と河の神話あり


ささがねの蜘蛛(田中孝顕 著) – あかり窓 (memoru-merumo.com)


桑の神話


クワ – Wikipedia

桑の実る季節……
蚕と桑の葉は
小学校の教室で触れたけれど、
桑の実は見たことも食べたこともない。
(なぜかアケビの実のイメージと混同)
(写真で見たら、ほっこり可愛い桑の実)

桑の木は太陽と関連し、中国の世界樹。
日本では雷神との関連あり。
東の漢字は木と日で構成される。
この漢字の示す木=桑(扶桑樹)?

あ、桑の実の熟れる過程での
色の変化は、夕暮れに似ている。
澄んだ赤から暗い赤紫、黒紫へ。

桑の実を染料とした色は「桑の実色」
(暗い赤紫のこと)そして
「どどめ色」は赤黒く熟した実の色。
この変化が日没の空・夕陽と結びつき、
太陽神話につながったのかな?
古代の赤紫は高貴な色・染料。

そういえば、東北のオシラサマは
桑の木で作った人形だった……
オシラサマは蚕の起源譚だっけ。

(オシラサマとアーシラトは
関係ないのかな……と
かなり無茶ぶりなことを
ふと思ったり)

シルクロード(絹の道)を伝播して
古代地中海沿岸の女神がはるばる
東の果ての島国に……オシラサマは
蚕の神だから、シルクロードと
深く結びついてるはず。
オアシスの道、海の道、草原の道。
星と風と光と波……

絹は中国(蜀あたり)原産。
馬頭娘の伝承=オシラサマのひな型?
紀元前の三星堆遺跡(蜀あたりの地域)に
宇宙樹をかたどる大きな青銅の神宝。
(メソポタミア文明との類似性)
蝶や蚕成虫を思わせる青銅仮面が出土。
(蚕神信仰)

オシラサマは桑の木の棒の人形※
人形の着せ替え=オセズ(お洗濯)など
オシラアソバセ(女性や子どもの小正月の行事)
※アーシラトの依り代は木の棒

アマテラスに仕える織り姫が
スサノオが屋根から投げ込んだ
馬に驚き命を落としたことが、
太陽女神の天岩戸隠れの発端。

中東・ギリシアで語られた悲恋物語
(桑の実の赤く染まったわけ)と
アマテラス・スサノオ神話と
オシラサマ(馬と乙女との悲恋)が
どこかで通底していないのか……
と夢想する。


( 2023.5.20~5.21 Twitter より )


シルク幻想 – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)


お空のツツは海のトト


お空のツツ(星)は
海のトト(魚)
夜のツツをとおって
金の灯(ヒ/アカリ)ふるよ
トトツリアイの宵祭り
天にのぼる 万の火の粉
浜のツツ 海をてらして
今年のトトは 大漁だ


クダギツネ
銀のシッポのほうき星
トトつりましょと
氷(ヒ/コオリ)にシッポたらし
かちんこちん シッポの先が
ぷつんと切れて 泣きました
クダ玉の雨 きらきら
ツツ星の光 しらじら


いたいのいたいの とんでいけ
おや もう夜があける


( 2023.5.15 Twitter より 推敲 )
( 2023.5.15 イラスト作成 Microsoft Bing Image Creator )


海を行く貴婦人


Let the winds of heaven
Blow through the paths among the clouds
And close their gates.
Then for a while I could detain
These messengers in maiden form.
(The Monk Henjo)
( -Petals and Moon- no.12 )

天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ
(僧正遍昭 小倉百人一首)

風と雲と乙女

羽衣を隠されて天に帰れなくなった乙女
羽衣(=貝紫色のヴェール?)
アーシラト
ATRT
(アタラツ姫は日本にもいる……)

aṯrt [‘āṯiratu]=アーシラト

吾平津媛 – Wikipedia

アタラツ姫ではなく、
アヒラツまたはアヒラヒメだった……
(語感がアーシラトに似てる?)
日向国 吾田邑の人。
コノハナサクヤとの関連がありそうな。

コノハナノサクヤビメ – Wikipedia
>これに対してポリネシア語をもとに、コノはkau-nui(大型船)、ハナはhana(労働)、サクヤヒメはhaku wahine(貴婦人)とする推論もある※ 

※黄 當時「古代日本語の船舶の名称における異文化の要素について -コノハナノサクヤヒメを中心に- 」佛教大学 文学部論集 第103号(2019年3月) 佛教大学
BO01030L065.pdf (bukkyo-u.ac.jp)

アーシラトは「海を行く貴婦人」と呼ばれる。
たまたまだろうか?

コノハナサクヤヒメを海洋民の言葉で分析すると
「大型船と関連するよく働く貴婦人」
の意味になる、という最近の論文は、
とても興味深い。

船霊 – Wikipedia

フナダマ=船の女神。
日本各地で信仰されている。

海を行く女神(アンピトリーテー)
海を行く貴婦人(アーシラト)
の系譜は、日本ではフナダマ信仰へと?

媽祖 – Wikipedia

中国・台湾では、媽祖(マソ)信仰。

船首像 – Wikipedia

船を龍と呼んだり、
船体の前方に目を描いたり、
船に鳥(カラスや鳩など)を
常駐させたり(陸・島の確認用)、
船に魂を宿らせたり(船霊信仰)、
船を棺として有力者を弔ったり。
ピラミッドの太陽の船などの例を含め、
船の神話伝説って奥深いなぁ……
(中東のフンババ退治の神話も
船材のヒマラヤ杉を得るための冒険)


( 2023.5.15 Twitter より )


お空のツツ(星)は


お空のツツ(星)は海のトト(魚)
夜のツツをとおって 天の灯ふるよ
トトツリアイましょ 万の火の粉が
浜からツツへのぼって 海原てらし
今年のトトは 大漁だ

クダギツネ 長いしっぽのほうき星
トトつりましょと 氷にシッポたれ
かちんこちんで シッポがちぎれて
泣きました クダ玉の雨 きらきら
ツツ星の光 さらさら


( 2023.5.15 Twitter より )