夢緑 ゆめみどり(Bing Image Creator)


風は父さま 枝みな靡く
雪は母さま 白珠ひかる
冬の岸辺で 銀の渦しお
あわい光の 糸を紡いで
月影さやか 羽のころも
あなたのために
織りましょう

過ぎし日の 仮寝の宿は
甘い実香る 桑の葉かげ
私は夢見鳥 糸を紡いで
星影ほどに ひそやかな
草浪ほどに しなやかな
あなたの羽ごろも
織りましょう

旅につかれ まよう夢路
つつむ羽ごろも
あなたのために
織りましょう
早緑めざめ 若草もゆる
春の岸辺の 夜明けまで


( 2023.5.25 + 2024.2.11 ブログより 加筆 )
( 2024.2.4 イラスト作成 Bing Image Creator )


星の羽(絵 Bing Image Creator) – あかり窓 (memoru-merumo.com)

天の布(Bing Image Creator) – あかり窓 (memoru-merumo.com)


白梅(Bing Image Creator)


子どもの頃、庭先の白梅が
小枝に散乱するように咲く様をみて、
網にかかった小海老のようだ、
網にかかった空の星のようだ、
などと密かに思っていたら、
(いわゆる和の様式美とは違う見立て、
という自覚は子どもなりにあった)
ちょうど同じような表現をしている
短歌か俳句を見かけて嬉しかった。

が、検索してもBing Chat で尋ねても、
そのような和歌・俳句は見つからない。
あるいはネット検索では見つからない
一般作品かも。
(新聞へ読者が投稿した等)

それとも夢幻の記憶……(;^_^A

そもそも
網にかかった小海老の群れを
見たことがあるわけでもない。
たぶん梅の花の長いシベと
海老のヒゲの印象が結びついた。
梅と海老、どちらも縁起が良いなど
似ている……

クリルンとセルピナのイメージに
使えないかな?とボンヤリ考える……


( 2024.1.7 Twitter より )
( 2024.1.9~10 イラスト作成 Bing Image Creator+微修正 )


岸におふてふ


道しらば
摘みにもゆかむ
住の江の
岸におふてふ
恋忘れ草

 ( 紀貫之 古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1111 )


この和歌の
「岸に生えるという」を意味する
「岸におふてふ」という表現には、
「岸に発生する蝶」「岸に追う蝶」
という二重のニュアンスが含まれているのでは?
と、ふと思った。

「てふ」は中国からの渡来語で、
古来の和名は「かわひらこ」だという。
また蝶は、夢虫、夢見鳥とも呼ばれた。

カワヒラコ、夢虫、蚕サン – あかり窓 (memoru-merumo.com)

てふ(蝶)は川辺に舞う、かわひらこ。

紀貫之が詠んだ「住の江の岸」には、
彼岸との境界(天の川)のイメージが
重ねられてはいないだろうか?

住吉三神 – Wikipedia

「住の江=墨江(黒の海)=天の川」と説き、
墨江三神(上筒の男、中筒の男、底筒の男)を
天の川辺のオリオン座の三つ星だと解釈する
面白い本をちょうど今、読んでいる。

ささがねの蜘蛛―意味不明の枕詞・神話を解いてわかる古代人の思考法 (古事記・日本書紀・万葉集と古代タミル語の饗宴) | 田中 孝顕 |本 | 通販 | Amazon
( p.91~p.94 )

彼岸にわたる羽を持つ蝶(夢虫・夢見鳥)と
忘れがたい人への想いを託す浜萱草(忘れ草)とを
「岸におふてふ 恋忘れ草」
という短い言葉のイメージで重ねて、
はるかな舞台へと舞わせた、嘆きの歌……

道しらば

「住の江(墨江)=天の川」への道は、
夢幻の彼方にしか見いだせない……
そんなはかない抒情は、時を超え
多くの人の胸に今なお響く。
平易な親しみやすさとともに、
言葉の象徴的な意味を
幾重にも含み持つ三十一文字の
表現の奥深さゆえの魅力だろう。


( 2023.11.11 イラスト作成 Bing Image Creator )


昨日見し恋忘れ貝(Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)