今か咲くらむ山吹の花


(万葉集)

河津鳴 甘南備河尓 陰所見<而> 今香開良武 山振乃花
かはづ鳴く神奈備川に影見えて今か咲くらむ山吹の花
かはづなく かむなびかはに かげみえて いまかさくらむ やまぶきのはな
( 第8巻 1435番 厚見王 )

万葉集 第8巻 1435番歌/作者・原文・時代・歌・訳 | 万葉集ナビ (manyoshu-japan.com)


古来、山吹は鏡草と呼ばれた。
離れて暮らす恋人同士が、
互いの想いを映す鏡を持ち寄り、
埋めた場所から山吹が咲いた、
という伝承による。
面影草ともいう。
水面に影を映す山吹の花が今頃
咲いているだろうか
と問う万葉集の和歌には、
鏡草・面影草のイメージが
織り込まれているのだろう。


山のくちなし – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)