アイデアスケッチ


ププルコ こーろころ
ひょうたん ポックリコ


かえるのガッコがうたいながら、
つくしんぼをゆらし、はねてきました。
あたたかくなったので、
おちばのねどこからでたのです。
「もうそろそろ、ププルコさんは
めがさめたかな?」


おがわのほとりのクワのこずえ、
ひょうたんのかたちのマユが
ぽっくりとわれ、あくびをしながら
ふしぎなおんなのこがでてきました。

「あれ?ププルコさんは
どこにいったんだろう」
「わたしよ、ガッコさん。
はねがはえて、きょうからは
ピピルコなの」
「ピピルコさん?……あ、でも
ププルコさんとおなじこえ!」


「ププルコはとべなかったけど、
これからはガッコさんとどこでも
いっしょにおさんぽできそう」
ピピルコのことばに、ガッコは
うれしくなって、ぴょんぴょん。
「レンゲをみにいこう、きっと
きれいにさいているよ」


ぴょんぴょん、ひらひら、
ガッコとピピルコがでかけてみると、
あたりいちめんうすくれないの
レンゲのはなでいっぱいです。
ピピルコはめをまるくして、
みとれるばかり……


( 中略 )


「こら、オオナマズ。
ふゆのあとには、はるがくるのだ。
あばれるのはやめろ」
きびしいかおのカミナリは、
オオナマズをとじこめたいなずまを
ぬいてやりながら、いいました。
すっかりめをまわしたオオナマズは、
ながいヒゲをしょげかえらせて、
みなそこへとしずんでいきます。
「ねむいなら、ねていろよ」
まだこどものカミナリは、
ふっとわらいました。

クエビコのかげから
ガッコとピピルコがそっとかおをだし、
「たすけてくださって、ありがとう」
と、ふるえながらいいました。
カミナリのこは、
「れいなら、さっきのうたでいい」
と、にっこり。
「おいらは、ゴロリン。
おいらもいっしょにうたいたいけど、
あめがふってピカゴロしちゃうからな」
カミナリのこは、くもをよぶと、
つむじかぜにのってとびたちました。
「そらのうえでたのしくきいていたぞ、
またうたっておくれ」


あめがあがり、いちめんのレンゲが
しずくをのせて、きらきらひかります。
「カミナリさまのおでましで、
ことしのなえも、じょうぶにそだつな」
クエビコがつぶやき、
ガッコはほっとして、ふと
くちずさみました。

ププルコ こーろころ
ひょうたん ポックリコ

なみだがかわいたピピルコも、
こえをあわせます。

ガッコは けーろけろ
いなずま ピッカリコ
ゴロリン カミナリコで
なえほの みのりはザックザク

(おや、とおくのそらで、
そっとうたうゴロリンのこえも
きこえたかもしれません……)

はるのさんぽは、まだまだこれから。



( 2024.3.24 あらすじ初稿 全文かな書き )
( 2024.3.16~7.2 イラスト作成 6枚 )


アイデアスケッチ(2) – あかり窓 (memoru-merumo.com)


“アイデアスケッチ” への1件の返信

  1. 夏頃までにお絵描き出来ればいいなぁ、
    と思っていたけれど、もう夏だった。
    秋頃までにピピルコさんガッコくんの
    お絵描きがざっくり出来ればいいなぁ……
    に変更(そして涼しくなってから、
    田中孝顕氏の新刊本を読んでみる……
    ことにする)遅々とした歩みなり。

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