夢の通ひ路

住の江の 岸による波 よるさへや
夢の通ひ路(ぢ) 人目(ひとめ)よくらむ

藤原敏行朝臣
(小倉百人一首 18番 『古今集』恋・559)

和歌の世界観では、
「夢に人が現れるのは、相手が自分を想っているから」
だったらしく、現代でも使われる言葉
「夢枕に立つ」
は、それと同じ感性・発想によるのだろう。
魂・精霊への古代人の自然な信仰にも通じる、幻想的な夢への思い・捉え方かもしれない。

夜波(寄る波)と夢は、親和性が高いイメージ。
「夢の通ひ路」は詩的で、現代にも通じる表現(演歌的?)

I went out to the hazel wood,
Because a fire was in my head,
And cut and peeled a hazel wand,
And hooked a berry to a thread;
And when white moths were on the wing,
And moth-like stars were flickering out,
I dropped the berry in a stream
And caught a little silver trout.

When I had laid it on the floor
I went to blow the fire aflame,
But something rustled on the floor,
And some one called me by my name:
It had become a glimmering girl
With apple blossom in her hair
Who called me by my name and ran
And faded through the brightening air.

Though I am old with wandering
Through hollow lands and hilly lands,
I will find out where she has gone,
And kiss her lips and take her hands;
And walk among long dappled grass,
And pluck till time and times are done
The silver apples of the moon,
The golden apples of the sun.

― The Song of Wandering Aengus―
(William Butler Yeats,1899)


アイルランドの詩人イェイツの
「彷徨うアーンガスの歌」
にも夢の女性(姿をくらます)が登場するが、
その依り代は小川で釣った銀の魚。

水辺(岸に寄る波)で起きる
夢(の女性)との交流イメージは、
古今東西(平安前期和歌、近代の英詩)にわたり
詩人達に愛されたのだろうか。


( 2022.10.20~22 Twitter より )


カワヒラコ、夢虫、蚕サン – あかり窓 (memoru-merumo.com)

紫之(むらさきの) – あかり窓 (memoru-merumo.com)

住の江の岸に(Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)

風の音にぞ(Bing Image Creator) – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)


波の神


エーゲ海(地中海文明)の名は、
エーゲ(波)という古代ギリシア語に
由来するという。
北欧神話の海神エーギルも、波の比喩として詠われている。
エーゲ海と海神エーギル、語源的なつながりはあるのだろうか?

エーゲ海 – Wikipedia

エーギル – Wikipedia

古代ギリシアの色彩について
「ワイン色の海」という表現があった、とか。
海神エーギルは、バイキングの神々の
酒宴を主催する役割でもあったという。
海と酒が結びつくイメージが、
古代の人々に共有されていたのでは?
と想像してみる。

エーギル – Wikipedia (画像)

神々の酒宴の麦酒を準備する「大鍋」は、
聖杯(聖杯王=漁夫王)と似たイメージ?
ケルトの主神ダグザの大釜とも似ている。

コルヌコピア – Wikipedia

コルヌコピア(豊穣の角)は、
ローマの豊穣神(大地の女神)や
ハデス=冥界の神 の持ち物。

海の底の臼 – Wikipedia

ノルウェーの民話が船乗りによって
日本の東北地方に伝わり、
一部内容に変更が加わった、
という考察が興味深い。

そういえば、日本神話のオオワタツミ(海神)は、
竜宮の主、酒の神でもあった。
外洋の波の神であり酒宴の神でもあるエーギルと、
少し似ているかもしれない。

ワタツミ – Wikipedia

海原の道遠みかも月読の光少き夜は更けにつつ

海原之 道遠鴨 月讀 明少 夜者更下乍
(万葉集 第7巻 1075番歌 作者不詳 詠月)

住の江の 岸による波 よるさへや
夢の通ひ路(ぢ) 人目(ひとめ)よくらむ

藤原敏行朝臣
(小倉百人一首 18番 『古今集』恋・559)


( 2022.9.21~10.8 Twitter より )


カワヒラコ、夢虫、蚕サン – あかり窓 (memoru-merumo.com)


雷神あれこれ


北欧の雷神トールはハンマーを持つ。
トールが、頭に食いこんだ砥石の
痛みに叫ぶのが雷光、
彼の駆る戦車(二頭のヤギがひく)の
轟音が雷鳴だという。

日本の雷神は、雲に乗って太鼓を持つ。
雷神が太鼓を叩くと雷鳴になる。

へそもち|福音館書店 (fukuinkan.co.jp)

「へそもち」渡辺 茂男 作 / 赤羽 末吉 絵
 初版年月日: 1980年07月31日
 シリーズ: こどものとも絵本
 (福音館書店)

雷で思い出すのが、この絵本。
創作民話なのだろうか。

( 2022.6.24 Twitter より )


龍神と雷の関係は?
日本の龍……
雨雲を呼んで、雷も起こすのかな?
インドの稲光は、縦でなく横に走るのだそうな。
それゆえ雷と蛇が結びつくのは容易に想像できる、
と何かで読んだ。
何の本だっけ、大野晋さんの
「日本語の源流を求めて」だったかな?

( 2022.7.4 Twitter より )


この頃、雷や土砂降りが多い。

トール神とお相撲さんは
どこかイメージ似てる?
似てない?

( 2022.7.15 Twitter より )


トール神、星座との関連は
ないのかな?ふと気になる。

木曜日はトールの日……
木星神。
北欧神話と星座の関連は
あまりエピソードが
思い浮かばない。
ヴァイキング(船乗り)は、
星を見ながら航海しただろうから、
きっと知識はあったはず。
ルーン文字?

ルーン文字 – Wikipedia
S(に似たルーン文字)は
太陽を表すそうだけど、
他に天体を表す例の記載なし。

( 2022.7.22~23 Twitter より )


雷神の護符 – あかり窓 (memoru-merumo.com)