髪留めの紐



撫でし子が
はんなり笑めば
髪留めの
紐ほろほろと
解け匂ひたつ

撫でし子が
揺らぎて甘く
微笑めば
風に髪留め
ほろほろ解ける

小なでしこ
ほんのり香り
微笑めば
風に玉の緒
ほろほろ光る


ナデシコさん


露の世や
露のなでしこ
小なでしこ

(小林一茶)


はかない花の命だけれど、
りんと咲く可憐な姿は、
時をこえて詠われてきた。
優し気な撫子のイメージで、
不思議な童子の傍らにいる
小さな妖精を描きたくて、
拙い試行錯誤をあれこれ。

花の命ははかないけれど、
おとぎ話の童子や妖精なら、
時の波間を舞いつつ渡れる。
そんな想いを抱いた人は、
古代から連綿と存在したに
ちがいない……
(お盆の風習も含めて)



天のひしゃくに慈雨をねがう、
ハユラギくんとナデシコさん。


しずくの意味 – まよい宿