童(わっぱ)


春の彼岸、
山童は川におりて
河童となり、
秋の彼岸にはまた
山に戻るのだという。

河童 – Wikipedia

山童 – Wikipedia


(川面を流れる桜の花びらに、
おりてきた山を懐かしむ……
そんな不思議な童子は、まだ
どこかに居るのだろうか)


いざ子ども
山べにゆかむ
桜見に
明日ともいはば
散りもこそせめ
   (良寛)


童(わっぱ)下絵 – まよい宿


金の実もいで(イメージ)


あやかしの里の
あやかしの宿で
金の実もいで
すたこらさっさ
と逃げたらば

開かずのお座敷では
糸巻きぶぅんぶん
ほうきがざわっざわ
宝の実ぬすんだのは
だぁれだぁ?と大さわぎ

逃げても逃げても
ふかぁい森
たけのこがニョキニョキ
やせたお月さんみたいに
青白くひかって
とおせんぼ

迷っても迷っても
くらぁい野原
長虫がニョロニョロ
流れのはやい川になって
銀の波ざんぶらこ
とおせんぼ

走っても走っても
追いかけてくる
きょろりジロリ目玉たち
金の実かえせと
夜空にうずまいて
とおせんぼ

あやかしの里の
出口がどこだか
わからない
わからない……


ねむり姫は
金銀いばらの
まゆの中
若君くるまで
めざめない
めざめない……