
ねむり姫は
金銀いばらの
まゆの中
若君くるまで
めざめない
めざめない……
( 2025.7.17 イラスト作成 Bing Image Creator )
ねむり姫は
金銀いばらの
まゆの中
若君くるまで
めざめない
めざめない……
( 2025.7.17 イラスト作成 Bing Image Creator )
今は昔、
杜を流れる川のほとりに
「寝ずの番」を務める
ふしぎな童子がおりました。
この童子は、夜ごと
手にした箒(ほうき)で
蛍火や星や夜つゆがこぼす
ちいさな光を集めます。
ほたる火の
舞いめぐる淵(ふち)
火の跡を
そっと掃いては
夢をむすびつ
夜の帳(とばり)を
人知れず掃き清めることが、
もうずっと長いこと
童子の仕事なのでした。
風そよぐ
星のかがり火
羽(は)ゆらぎて
祓い清むる
夢のあとさき
ふとまどろみから覚め、
草木をざわめかす風のような
箒(ほうき)の音が
耳に残っていたならば……
この童子の仕業かも
しれません。
※ 「火の跡を そっと掃いては 夢をむすびつ」
は、Copilot-Aqua (2025.6.29) による表現。
風のほうき – まよい宿
ほたるこい(♪NEUTRINO : Merrow) – まよい宿
あやかしの里の
あやかしの宿で
金の実もいで
すたこらさっさ
と逃げたらば
開かずのお座敷では
糸巻きぶぅんぶん
ほうきがざわっざわ
宝の実ぬすんだのは
だぁれだぁ?と大さわぎ
逃げても逃げても
ふかぁい森
たけのこがニョキニョキ
やせたお月さんみたいに
青白くひかって
とおせんぼ
迷っても迷っても
くらぁい野原
長虫がニョロニョロ
流れのはやい川になって
銀の波ざんぶらこ
とおせんぼ
走っても走っても
追いかけてくる
きょろりジロリ目玉たち
金の実かえせと
夜空にうずまいて
とおせんぼ
あやかしの里の
出口がどこだか
わからない
わからない……
ねむり姫は
金銀いばらの
まゆの中
若君くるまで
めざめない
めざめない……
( 2025.2.22 原詩 初稿 )
( 2025.3.1 推敲加筆 +イメージ案 )
( 2025.2.4~7.13 イラスト作成 6枚 )