野の宴


(ナデシコさんとハユラギくん)


露の宿
北斗の柄杓
傾けて
うつす盃
撫子そよぐ


北辰の
光の柄杓
そそぐ杯
野の草露に
星やどる夜


北天の
光の柄杓
ゆうらりと
映す白露
草浪さわぐ


北天の
光の柄杓
ゆうらりと
やどす白露
銀漢ほのか

(※銀漢=天の川)


髪留めの紐



撫でし子が
はんなり笑めば
髪留めの
紐ほろほろと
解け匂ひたつ

撫でし子が
揺らぎて甘く
微笑めば
風に髪留め
ほろほろ解ける

小なでしこ
ほんのり香り
微笑めば
風に玉の緒
ほろほろ光る


笑まひのにほひ


奈泥之故我 花見流其等尓 乎登女良我 恵末比能尓保比 於母保由流可母

なでしこが
はなみるごとに
をとめらが
ゑまひのにほひ
おもほゆるかも

なでしこが
花見るごとに
娘子らが
笑まひのにほひ
思ほゆるかも


( 万葉集 巻18-4114番 大伴家持 )


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