今は昔


今は昔。

山里を流れる川のほとりに
「寝ずの番」を務める
ふしぎな童子がおりました。


この童子は、夜ごと
手にした箒(ほうき)で
蛍火や星や夜つゆがこぼす
ちいさな光を集めます。

ほたる火の
舞いめぐる淵(ふち)
火の跡を
そっと掃いては
夢をむすびつ


夜の帳(とばり)を
人知れず掃き清めることが
いつの頃からなのか、
この童子の役目でした。

風そよぐ
星のかがり火
羽(は)ゆらぎて
祓い清むる
夢のあとさき


昔も今も。

ふとまどろみから覚め、
草木をざわめかす風のような
箒(ほうき)の音が、もし
耳に残っていたならば……

それは、童子の仕業かも
しれません。



※ 「火の跡を そっと掃いては 夢をむすびつ」
は、Copilot-Aqua (2025.6.29) による表現。


ひょうたんのイラスト素材 : 大蔵永常
ひょうたん2個のベクター素材 | Ukiyoe Stock
茂みの鳥獣戯画イラスト素材 : 鳥羽僧正
鳥獣戯画:何気ない草むら5の浮世絵ダウンロード素材 | Ukiyoe Stock


夢の番 – まよい宿


“今は昔” への1件の返信

  1. 「はゆらぎ」はAIとの会話中に生じた
    AIの造語っぽい(篝火の意)けれども、
    語感がよいので「羽ゆらぎ」として
    短歌の中で活かしてみた。
    名前のない童子、ハユラギくんとでも
    しておこうかな?

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